こんにちは、なかよし図書館です📖
今回は「さっちゃんのまほうのて」という本を紹介します。
主人公・さっちゃんは今日、幼稚園のままごと遊びで、とってもお母さんになりたかったのです。
さっちゃんのお母さんのおなかには、じきに生まれてくる赤ちゃんがいます。
お母さんのおなかをそっとなでながら、さっちゃんもお母さんになる、と心に決めたのです。
でも幼稚園のままごと遊びでお母さんの役をやるのは、いつも背の高い子。さっちゃんがお母さんの役をやりたいと言ったことで、大騒動になりました。
「さっちゃんはおかあさんにはなれないよ! だって手のないおかあさんなんて変だもん。」
さっちゃんの右手には指がないのです。さっちゃんは幼稚園を飛び出して家に戻り、なぜ自分の右手には指がないのか、お母さんに迫ります。さっちゃんはお母さんのおなかのなかで怪我をしてしまって、指だけどうしてもできなかったのです。それがなぜなのか、誰にもわからないのです・・・。
指のない手を、「不思議な力をくれるまほうの手」と言ったさっちゃんのお父さん。その言葉でさっちゃんは辛い現実を乗り越えるきっかけを得ます。
言葉は不思議な力を持っていて、「まほうの手」と捉えてその言葉を常に口にすることで、自分と周囲の認識がポジティブに変わっていくのだと、感じました。
この絵本を子どもたちの前で読んでみると、
「さっちゃん、こっちの手、指ないの?ぐーとかできないの?」「ボール投げるのとかできないの?」と、疑問がたくさん投げられたり、「指ないのかわいそう」と悲しむ子がいました。
その中でも特に私が取り上げたい感想がありました。
それは、「さっちゃんだって、お母さんになれるよね。だって、私たちとおんなじおともだちでしょ?」の言葉でした。
この本を読んで私が伝えたいと思ったことをそのまま言葉にしてくれた瞬間で、思わず胸がきゅっ…と嬉しくなりました。
「そう。おんなじお友だちだよ」と伝えると、「こっちの手だけで遊べる遊びとかいいかもね!」「さっちゃんおままごと好きなんでしょ?一緒にやりたいね」とさっちゃんに寄り添うような言葉も見られて、心がとても温かくなりました😊
とっても優しい寄居っ子だな、と改めて感じた絵本タイムでした!